「俺はもっと報われるべきだったのにアニメのせいでこうなったんだ」という被害者意識やアニメに対する復讐心の強さなども含めて眺めないと、今のアニオタの実像をつかむのは難しい
アニメは関係ねぇだろアニメは… 俺の前でアニメの話はよしてもらおうか!
「俺はもっと報われるべきだったのにアニメのせいでこうなったんだ」という被害者意識やアニメに対する復讐心の強さなども含めて眺めないと、今のアニオタの実像をつかむのは難しい
アニメは関係ねぇだろアニメは… 俺の前でアニメの話はよしてもらおうか!
まあ自分はハントケの作品を一冊も読んだことはないんだけど、ユーゴ紛争周りでの欧米批判はいろいろ見たので知っていて、だからこそ衝撃を受けざるを得ない
ノーベル文学賞なんて政治的な思惑が入らないわけがない(これはもちろんハントケに不利に働く)ので、あえてハントケに受賞させるってかなり思い切ってる。やっぱ不祥事の後だから、政治的思惑とかの不純物抜きに文学を評価したんですよ! というポーズを取ったのかもな。あんのじょう旧ユーゴ各国から非難が出てるし。
まあね、時が経って検証も進んで、ユーゴ紛争でとった立ち回りに対する反省が欧米各国の中であった……わけがねーからな。嵐作戦のゴトヴィナですら無罪放免になった時点で反省もクソもない。
まあ、なのでハントケが受賞ってのは衝撃的なんですが、グラスがSS出身だったって話とかも含めて日本じゃほとんどの人が興味ないわけで、そういう感じだと確かに戦後日本の反省云々の話が全く建設的なものにならない(何しろ最も立場の近いドイツの状況にすら興味がないのだから客観化する術がない)だろーなー、と思った
ジョーカー見てきた。
物足りなく感じるところはあるけど、おおむね傑作と言って問題なさそう。令和の時代に帰ってきたニューアメリカンシネマって感じで、特別目新しいとは感じない(やっぱタクシードライバー見てるとね……)んだけども、今やるとしたらこうなるんだろう、というところが大体しっかり作られてて、よく考えて作ってるなあと思った。
しかしまあ、今マジで反体制側の人間を描こうとしたら白人男性以外にはありえないわな、ということは考えてしまうなあ。白人男性以外にやらせると、良きにつけ悪しきにつけ別の文脈に完全にかっさらわれるもんね。そうなっちゃうと、こういう虚実入り交じった憎悪だとか、妥当なのか理不尽なのか区別のつかない怒りだとか、そういう安易な答えの出せない本当に面白い(!)テーマは描けないもんなあ。
「天気の子」
僕は絶賛します。
子どもたちを不憫に思う老人に冷や水をぶっかけ、どんな世界だったとしても気楽に楽しく生きていけるんだと高揚する若者にも冷や水をぶっかけ、笑顔で四方八方にケンカを売るスタイルを取っているのはいいと思います。そこは絶賛しかない。
「セカイ系」とか「エロゲー」とか言われてるけど、自分はそういうのにどうも乗れないんだよなー。新海監督は、自身の持ち味を上手くアレンジして使えば今の時代に殴り込みをかけられるはずだ、という読みで勝負をかけにきてるわけでしょ。前段の老人・若者の話もそうだけど、割とあからさまに若い人をターゲットにしてる作品だし。だから昔の言葉を使って安心するのは、逆の意味で新海監督の術中にハマってる感じがして自分には無理なんだよな。ターゲットじゃないお客さまにはこんな感じで楽しんでもらいましょー、みたいな。まあ乗っかってもいいんだろうけど、それだと興味ないなで終わっちゃうし……
イヤだなというか、イマイチ足りてないなと思うのは、少し考えると捨て身で勝負にいってる作品のようにも見えるんだけど、捨て身ってのはいつか持続しなくなることを前提にしてやってるってことだから、逆に物分かりよく作っている(売れる作品を作っている、という意味ではなく)ように見えてしまうんだよな。考えれば考えるほど。
実際にそうであるかどうかとは別に、手際が良すぎるように思えてしまう。それではつまらんので、新海監督にはもっともっと苦しんで作品を作り続けて欲しい。