アニメ作画とキャラデザイン

http://d.hatena.ne.jp/kanose/20060726/animator
個性を出しすぎてる事に対して怒るより、わざわざ個性全開でやらせてるにも関わらず、噛み合った使い方が出来てないことに怒ったほうが建設的だよね。大平氏があれだけやりたい放題やってたキッズストーリーはおおむね好評だったりするし。
この場合は話数単位とかシーン単位とかいうより、斉藤氏をなのはで使った事自体がダメっぽいけど。


少し脱線して、一般論っぽい話をします。
作画が暴走してるみたいな話で一番大事なのは、絵柄が統一された場合に失われるものが確実にあるということを(特にオタ向けキャラデザインの場合)頭の片隅に置いとくべきってこと。
アクションならゴテゴテ装飾がつけばつくほどまともにアクション出来なくなってくるし、正確なパースは足かせになる場合もある、凝ったアングルを使うと(元々ありえない頭の構造なので)真面目に描こうとすると顔が歪んで大変なことになるかもしれない。
芝居ならデザインが記号的になればなるほど感情の細かい表現が難しくなる。○とか×は簡単だけど、◎とか△は相当難しそう。
今のリアル系と呼ばれる作画は人間の生っぽい部分を出しているように思うので、アニメだから出来ないって訳じゃなくデザイン的な(もちろん技術的なものもあるだろうけど)制約のせいで出来ないという部分は確実にあるだろう。
要するに、作画がドラマに対してどれだけ寄与できるかを考えたときによりデザインに忠実であることが正解かというと必ずしもそうではない、という認識があると少し見方が変わってくる。これはデザインが良い悪いという話ではなくて、デフォルメされたデザインの中で何が正解だと言い切る事自体がナンセンスだ、ということ。


あとは…何だろ、絵の上手下手って評価基準が色々あるからうっかり言えないなー、という気が。
なのはA's12話の静止画、修正後の方が明らかにいいものもあるんだけど、修正前の方が面白そうってのもいくつかあるんだよね。パタパタ動きそうな細い手足とか、金田っぽい首の傾げ方とか。
まあ人それぞれって事で。