ゲド戦記がつまらなかった理由

冒頭、女王が出る時に足元から入って下から上にPANしていきますよね。そんないかにも重要キャラっぽい出方をするにもかかわらず、そこの台詞はショボイ上にその後女王は出てこない。
その後ハイタカが初めて出てきた時、遺跡らしきものに入ろうとします。そこも足元写したり丁寧にいろんな視点から見て、まるで遺跡が何か重要なんじゃないかという風に思わされます。しかしそれには何の意味も無い。そこでは何も起きないし、その後も全くでてこないですから。


もう、全編そういう事の繰り返しなんですよ。視点となるキャラが目まぐるしく変わるのに、そこに意味が無い。何気ない会話とか何気ない歩きとか、しつこいまでに視点を変えて意味ありげに描写されるのに、そのことごとくに意味が無い。それを繰り返すうちにどこにも意味が無いんじゃないかという風に思えてきて、どんなシーンになっても感情の起伏が起き辛くなる。その結果、眠くなる。


脚本が悪いという人が多いですが、僕は脚本はそんなに悪くないと思います。話の筋的にここは何をやりたいんだろうなというのは分かりやすいし、エンタメに必要なガジェットを放り込もうとしてるのも見て取れます。ただ、その表現の一つ一つが致命的につまらない、もしくはつまらないと思い込まされる(上記の理由で)というだけで。
だから、話の筋やテーマだけを追う人には楽しめると思います。そして、僕はそんなアニメは大嫌いです。