なのは

最初の認識:なのはmovieはmovieではなく、テレビスペシャルが何かの間違いで劇場にかかった
スレ読み後:なのはmovieの本体は物販だった つーかアニメ映画板のスレは未だに映画の中身の話をしていない!
現在:映画に行くとは映画を見ることだという00年代までの旧態依然な考えでいては、10年代は置いていかれますよ

アバター(3D)

僕にとっての実写映画の位置付けとは、「やっぱり実写は凄いねーアニメの平均レベルって本当に鼻クソですねー」という事実を再認識する装置なんですが、驚いたことにすげーつまらなかった! なのはmovieの直後(一応東のエデン挟んでるけど)だというのに!!! 席が前過ぎたのも悪かったんだけど、3Dがあまりに主張しすぎてて、見方を実質的に強制されたのですげー不快だった。そしてその映像部分を抜かすと特に感じることが無さすぎた。

アバターで見方を強制されて激ギレ

強制、というのは具体的に以下のような感じ。
アニメ見るときの癖で、視線を向けるべき箇所以外へもかなりの頻度で視線を散らす(丁寧に視線誘導されている場合でも、あえて散らす)習慣があるんだけど*1、「立体感を強く感じる箇所がある+焦点がズレてぼけているところに目線をやった時」が気持ち悪すぎた。特に飛び出す処理の場合は致命的。ちなみに、飛び出す処理をしてるのか周りを引っ込めてるだけなのかはメガネを取れば確認できる。んで、ぼけた部分を知覚すると、強く主張してくる飛び出し部分の立体感と整合性が取れなくなって*2、結果3D酔いみたいな感じになった。
見ててとにかく気分が悪くなり、仕方がないので視線誘導にただひたすら従って見ることで酔いは収まった。しかし自分の意思を完全に殺した見方により俺の寿命がストレスでマッハ


ていうかさー、3Dって話を最初に聞いたとき、フォーカスの処理ってどうしてんだろってまず思ったんだよ。映像って基本的には人間の目で映る世界を意識して構成されてきたわけだから、焦点がずれてぼけた部分の立体視ってどういうことなんだ、という。もしかして全部ディープフォーカスにして観客任せなのかなーとか。それってアニメっぽいじゃん? アニメ最強時代じゃん? 限界を超えるじゃん? とか思ってたんだよ。上映前に流れたティムバートンのアリス・イン・ワンダーランドの予告も被写界深度がかなり深いシーンが多かったし、少し期待したんだよ。それがこのザマ。実写とかいってマジクソだな。
もうね、少なくともアバターについてはろくな考え無しに作ってるようにしか見えなかった。例えばさ、焦点ずれた部分に注目してもいい場面とかあるわけじゃんよ。弓撃つとき焦点の合った顔に注目するか、ぼけた矢じりに注目するか。でもさ、矢じり見れないわけよ。気持ち悪くなるから。正直、バカじゃないの? と思った。
で、ぼけたら全部駄目かというとたぶんそうでもなくて、カールじいさんの場合は焦点がずれてぼけてる婆さんの写真(明らかに注目されることを意識している)に普通に目線が向けられるようになってて、それは遠近感の出る箇所が小さいのと、その処理が画面のかなり奥へと引っ込む=存在感が弱くなる効果だから。
上記の理由で、字幕もかなり良くない。不自然な目線移動が危険なので。以前から似た理由で字幕はあまり好きではなかったんだけど、まさか酔うから良くないなんて話になるとは。そう、字幕といえば、アバター内で字幕の位置が中央下から上に移動して表示された部分あったけど、あそこ象徴だと思うんだよね。何でああなってるかといえば、そのままだと元の映像の下に字幕が位置しちゃう(基本的に字幕は画面から浮き出ている)からなんだけど、その飛び出してる箇所って比較的どうでもいいシーンのかなりどうでもいい計器の表示だった。確か。で、飛び出す=近くに来るってことはそれだけで存在感が大きくなるってことで、それってアニメなら魚眼レンズ並に強度がある表現なわけじゃない。なんでたいしたこと無いシーンのどうでもいい計器で酔わなきゃならないんだよ!!!
そりゃ3D効果の頻度としては飛び出すより奥に引っ込む方が大分多いけどさ、それでも飛び出し多い。そりゃあ飛び出したほうが迫力あるのは分かるけど。


席が悪かったのは確かで、良い席だったら印象は変わったかもしれないけど、ちょっと実写に対して失望感を抱いた。アリスインワンダーランドに期待。

*1:アニメは多くの場面が実質ディープフォーカスなのと、実写でも同じといえばそうだけどアニメの場合は背景の配置やら視線誘導やらを神経質なまでにガッチリやってる場合が多いので見ときたい

*2:カメラと自分の目の境目が曖昧になっている状況で、画面上は焦点があっていない部分に自分の目の焦点を合わせるという矛盾を行うせい

カールじいさん(3D)

アバターから連続で見た。アバターがあまりにも苦痛に感じすぎて、3Dに拒否反応が出てるか、もしくは自分の脳の立体認識を司る部分がおかしくなったかと思ったけど、そんなことはないのを確認できて良かった。
アバターのように3D自体を目玉として押し出すより、演出の一種として割り切った使い方をしている感じ。ちょくちょくメガネ外しながら確認したけど、ほとんどが奥へと引っ込ませる効果のみを使って空間の広がりを演出してた。迫力出したい場面で少しだけ飛び出す効果を使ってる。アニメの画面作りから考えるととても自然な発想で、堅実な使い方だなーと思った。ピクサーはホントに信頼できる。素晴らしい。
ただストーリーは……1.子供のツラが憎憎しすぎる2.鳥を助ける理由が分からん 3.犬が仲間になった理由が全く分からない の順で感情移入が妨げられた。まあ2は半分1のせい。