細田演出の総決算的な映画

この辺、時かけ放談*1で書かれちゃってるんだよね…。まあかぶるの無視して書く。

今までの細田守演出の集大成的な面もある
と自分で書いたように、極めて細田カラーが強いと感じた。前日に細田作品を見ていたせいもあるけど、それまでの作品の要素が満遍なくちりばめられてる。アッコの性格やら、デジモンのネット世界描写やら、どれみの魔女やら、他にもいろいろ。もちろんお得意の繰り返し描写も。ただ、その演出と計算されつくした構成に細田守を感じることはあっても、その先の驚きはあまりなかった。
そもそも企画の始まりからして「時かけ」は細田守のために用意されてる節はあって、インビテーション8月号の細田守インタビューでも、「マッドの丸山氏がどれみ40話を見て、細田監督にメールを送ったのがきっかけ」という趣旨の発言があった*2。なので時かけの完成度に満足した反面、「次はどうなるのか」という思いが初見後すぐにあった。実は
今後これだけ面白いアニメ映画を見れる機会はそんなにないと思う
こういう書き方をしたのは、今回は細田監督の好きな演出と話の中身がばっちり合ったから面白かったけど、次もそうなるとは限らないから「時かけを踏まえてそこから面白いものが出来てくる」ってことはあまり無いんじゃないか、という含みがあった。時かけはあくまで僕が今まで楽しんできた細田守の総括であって、次はまた新たなステップがあるだろうという期待も込めてる。

*1:「夏は時かけ、もう決まり放談」小川びい、藤津良太、小原篤、M(仮名)による座談会同人誌

*2:だからネットでたまーに見かける「時かけは角川主導のメディアミックス戦略」みたいな解釈はあまり的を射ていないはず